なぜ、カウンセリングは時間と回数がかかるのか(1/4)
みなさま、いつもありがとうございます。
カウンセリングを身近なものに。
カウンセリングを行う上で大切なことがいっぱいあるわけですが
何よりもまず大切なこと・・・それは
クライエントさんがカウンセラーに対し
「この人とは、気持ちが一つに重なって、同じこころの世界を味わっている」
「この人は、私の気持ちを、こころのひだまでていねいに分かってくれようとしている」
と感じてもらえるようになること。
つまり『援助的人間関係の確立』こそが最も重要な要素となってきます。
では、どのようにするとこの関係が確立できるのでしょうか?
それは、以下に示す3つの段階を踏んでカウンセリングを行うことにあります。
(参考文献:『新しいカウンセリングの技法』 諸富祥彦著 誠信書房)
〔Ⅰ〕関係形成期
・『ラポール』を築く時期
・「こころとこころのつながり」をつくる段階
〔役に立つ理論〕ロジャーズのクライエント中心療法
〔Ⅱ〕自己探索期
・自分を深く見つめる時期
・自分の内側に意識を向けて、こころの声を聴いていく段階
〔役に立つ理論〕ロジャーズのクライエント中心療法
ジェンドリンのフォーカシング
精神分析、ユング心理学、プロセスワークなど
〔Ⅲ〕行動計画期
・アクション、ステップの時期
・「実際にこれからどうするか」行動の計画を立て、小目標を達成していく段階
〔役に立つ理論〕ブリーフセラピー、認知行動療法など
もちろん、クライエントさんの意向や取り扱う内容・進み具合によって
どの段階を中心として取り扱うかまったく異なってくるわけですが
この3つの段階を踏まえなくしてカウンセリングは成り立たないため
カウンセリングに時間と回数がかかってしまうのはやむを得ないことなのです。
それぞれの段階について、次回以降、もう少し詳しく取り扱っていきます。