なぜ、カウンセリングは時間と回数がかかるのか(2/4)
みなさま、いつもありがとうございます。
カウンセリングを身近なものに。
昨日よりお送りしているテーマ
『なぜ、カウンセリングは時間と回数がかかるのか(※)』
きょうが2回目です。
カウンセリングにおいて最も大切なことのひとつに『援助的人間関係の確立』があり
そのためには 3つの段階を踏んでカウンセリングを行う 必要があることを同時に述べました。
(カウンセリングに時間と回数がかかるのはこのためです)
本日は3つの段階の中の最初の段階 『〔Ⅰ〕関係形成期』について詳細を述べていきます。
(参考文献:『新しいカウンセリングの技法』 諸富祥彦著 誠信書房)
〔Ⅰ〕関係形成期
・『ラポール』を築く時期
・「こころとこころのつながり」をつくる段階
この段階でなんといっても重要なのは
「この人には安心して話ができる」
「この人は、私の気持ちをわかってくれる」
「細かなこころのひだまで、ていねいに分かって、感じ取ってくれる」
「そしてその理解を、ちゃんと私に確かめてくれる」
「この人だったら、一緒にやっていけそうだ」
という共感的な関係の確立です。
1回のカウンセリングでこの関係形成が完了する場合もあれば、10回以上かかる場合もあります。
(おおよそのところ、2~3回でこの関係を築いていきます)
ここで私たちカウンセラーが行うのは
クライエントさんの『見立て(▲)』の他、『うなずき』『あいづち』『感情の伝え返し』など
ごく一般的な傾聴することを主とし、問題そのものに目を向けることはまだしないことの方が多いです。
それは、どんなクライエントさんであっても
「このカウンセラーさんは私の話や気持ちをていねいに受け止めてくれる」
「わかったつもりにならずに、ちゃんと私にしながら聴いてくれている」
と(クライエントさんが)感じるよう
「あなた(クライエントさん)のこころをきちんとわかろうとしていますよ」
という姿勢でクライエントさんの気持ちを受け止めていくことを意識するためです。
(▲)抱えている問題や悩みがどんなものであるか、またその根源となっているもの
問題や悩みの深さをつかむこと
(※)『なぜ、カウンセリングは時間と回数がかかるのか』過去掲載分
http://www.heartoffice-aoi.com/index.php/news/archives/1268